仕事の価値観
マンガが原作の『のだめカンダービレ』がフジテレビで放送されてから、今まで縁のなかった人たちまでがクラシック音楽を聴くようになったようです。
素人にとってクラシック音楽と聴いてすぐに思い浮かぶのは、バイオリンを中心とした弦楽器や華やかな管楽器、そして身体をゆすぶる打楽器などが壮大なスケールで曲をかなでる交響曲です。
そして楽器奏者だけでなく、交響曲を奏でるためにとても重要な地位を占めるのが指揮者です。
何もわからないころ、指揮者はただ棒を振るだけ、たくさんの演奏者達にいつ始まりどんなリズムで演奏するかを伝える役目だけ、と、とんだ勘違いをしていました。
以前、世界的な指揮者となってきた「西本智美」さんがオーケストラとの模擬練習シーンを見せてもらえる機会がありました。演奏者達は当然それなりの技量のある人です。曲に対するイメージもそれぞれ自分たちの描くイメージがあるはずです。
そんな演奏者達に、指揮者としてのイメージを伝え、音の出し方、リズムの取り方、強弱のつけ方など、ひとりひとりに指示を出していっていました。
指揮者の喜び、それは、演奏者一人ひとりの力を最大限に引き出しながら、全体で最高の音楽をつくりあげていくことなのでしょう。決してひとりでは作り出せない音楽を。
話は変わって、ごく一般的な会社員の世界での話しですが、仕事に対する価値観は大きくふたつに分かれるように思います。
ある分野の仕事を極めるために、どんどんその分野にのめりこんでいく人。どちらかというと考え方の同じ人、目標が同じ人といっしょに仕事をすることを好みます。そして、いろいろな技能や知識・経験を持つ人達をたばねることで、一人ではできないより幅の広い仕事に取り組むことに喜びを覚える人。こちらは個性の違う人たちを仲間に持つことを好むようです。
オーケストラでいえば、前者が楽器奏者、そして後者は指揮者でしょうか・・・・。
以前研究所に勤めるある人と話をしたことがあります。
「研究者って偉くなって部長とかになると、自分の好きなテーマで研究するということがなくなってつまらないでしょう?」とたずねました。
その人の回答は意外でした「いや、そんなことはない。いろんなテーマで研究を続けている研究員の研究をたばねてみることで、より面白いものの出てくる。自分の小さな世界で研究を続けているだけよりよっぽど面白い」。
仕事に対する熱意は同じように見えても、「演奏者」と「指揮者」のどちらの価値観で仕事に取り組んでいるか、人それぞれで違うようです。
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